雨乞いの山として名高い夫神岳の中腹海抜670mに佇む沓掛温泉。かつて信州には著名な温泉が数多いが、沓掛温泉ほど四季とりどりの美しさに恵まれた処は無いと田山花袋に讃えられた。開湯は古く平安時代に遡る。国司として信濃に赴任していた滋野親王が目を患い入湯したところ治ったので、薬師堂を建てて温泉守護神を崇したと伝えられる。また、滋野親王の故郷である京都の小倉山に沓掛温泉の裏山が似ていることから、小倉乃湯と名づけたと伝えられる。かつては多くの旅館が立ち並び、江戸時代はかなり賑わったと伝えられるが現在は衰退している。湯は弱いスベスベ感のある無色透明湯で、古くから美人の湯とされ、効能の高さから湯治客が絶えなかった。昭和45年(1970年)に厚生省告示第60号により、田沢温泉とともに国民保養温泉地に指定された。温泉の泉質はアルカリ性単純温泉。温泉の効能は神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、打身、慢性消化器病など。
【開湯日】
平安時代(詳細は不明)
【温泉の泉質】
アルカリ性単純温泉
【温泉の温度】【源泉のpH値】
38.5度〜34.7度 9,2アルカリ性
沓掛温泉 アクセス
●上信越自動車道➡上田菅平IC➡車➡約35分➡沓掛温泉
●長野自動車道麻績IC➡車➡約35分➡沓掛温泉
●JR北陸新幹線➡上田駅➡バス➡約35分➡沓掛温泉
沓掛温泉 近くの観光スポット【大法寺三重塔】
正慶2年(1333年)鎌倉時代から南北朝時代に造営された大法寺三重塔。惣門から参道を登ると正面に観音堂があり、西北の小高い丘に三間四方の檜皮葺「三重塔」が中空に舞う鶴の羽のような優雅な姿をみせている。高さは礎石上端から宝珠上端まで18.56m、第二層の木組みの裏側に書かれた墨書から、この塔は大阪の天王寺と関係の深い技術者たちの手によって造られたと考えられている。