北牟婁郡地誌によれば、天暦3年(949年)に発見されたと云う。花山天皇が熊野詣巡礼の際に、開基した古刹有久寺に湧く有久寺温泉。また平将国が温泉を発見した説も伝えられ、310年前に由井正雪が入湯したとも云われる。有久寺温泉は山あいの秘湯で赤羽川支流の渓谷に抱かれ、鬱蒼とした竹林や杉林に囲まれた温泉である。元湯は名前の由来となった真言宗の古刹、有久寺薬師堂の岩屋から自然湧出する冷泉だが、ラジウム含有率日本一を誇る。浴用はもちろん飲用効能も高く、温泉水の持ち帰りも可能。万病に効能がある、鎌倉時代から多くの人びとが入湯し病気が治ったとの記録が残る神秘的な温泉。北に紀伊山地がせまり、深々とした木立に囲まれた静寂の地で世界遺産に指定された紀伊山地の霊場と参詣道を構成する参詣道のひとつ熊野古道の玄関口としても知られている。温泉の泉質は硫化水素泉。温泉の効能は糖尿病、神経痛、胃腸病など。源泉温度は24℃(浴用は加熱)。
【開湯日】
昭和55年(1980年)
【温泉の泉質】
硫黄泉、硫化水素泉、単純泉など
【温泉の温度】【源泉のpH値】
24度 不明
有久寺温泉 アクセス
⚫️JR紀勢本線➡︎紀伊長島駅➡︎タクシー➡︎約15分➡︎有久寺温泉
⚫️伊勢道➡︎勢和多気IC➡︎R42➡︎R422号➡︎経由➡︎約48km➡︎約60分➡︎有久寺温泉
⚫️JR紀勢本線➡︎紀伊長島駅➡︎バス➡︎河合行➡︎7分➡︎有久寺口下車➡︎徒歩15分➡︎有久寺温泉
有久寺温泉 近くの観光スポット【東山ダム】
かつて伊勢国と紀伊国の国境であったツヅラト峠。ツヅラトとは九十九折のことで、その名の通り紀伊長島へ下る峠道はカーブが連続している。旧熊野街道で平安末期に拓かれ、昭和初期まで生活道として使用された道で、伊勢から熊野へ向かう旅人は、この峠に立ってはじめて熊野の海を目にし、聖地・熊野へ向かう玄関口でした。